はじめに
このシリーズ記事では、ECPowerを活用して顧客セグメントを作成し、LTV向上にむけたアクションを具体化していくステップを紹介していきます。ECPowerを使いはじめたばかりの方、もしくはECPowerの利用を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
前回の記事では、ロイヤル顧客の理解を深める重要性について解説しました。その中で特に、ニーズに基づいて解像度を高めることができれば、ロイヤル顧客を増やすためのマーケティング施策のイメージもつきやすくなることを説明しました。
この記事では、ECPowerを活用して、ロイヤル顧客を増やすためのステップをさらに具体化するについて解説したいと思います。
ECマーケターのための顧客セグメントツールECPowerについては、こちらをご覧ください。
カスタマージャーニーとは
「カスタマージャーニー」は一般的には最初の購買に至るまでのプロセスを図に落として、マーケティング戦略を設計するための効果的な手法です。ですが私たちはリピート顧客を増やしてLTVを向上したいという目的で考えていますので、今回の説明では「最初の購入をしてから、ロイヤル顧客に成長するまでのプロセス」という形で考えてみましょう。顧客をロイヤルに育てるための具体的なステップをイメージすることができるようになります。
カスタマージャーニーの具体例
では、どんなカスタマージャーニーを作ればよいのか?具体例を挙げて説明をします。
前回の記事でたとえ話を出した街のパン屋をイメージしましょう。ロイヤル顧客の中には、「毎朝習慣的にサンドイッチを購入していく顧客」や「金曜日の夕方に家族のためにスイーツを購入して帰宅する顧客」がいます。
今回は「毎朝習慣的にサンドイッチを購入していくロイヤル顧客」を育てるためのカスタマージャーニーを作成してみましょう。このような形で作成してみました。
これは単純化したシンプルな例ですが、おおまかに下記のような流れで作成しています。
- ロイヤル顧客が持っている購買行動の特徴を列挙する
- 「エンゲージメントの高い顧客」「リピート顧客」といったステップを考える
- 入口となる顧客セグメントが複数ないかを検討する
- 各ステップのギャップを埋めるための施策を考える
また、前回の記事で、同じロイヤル顧客でもニーズに応じて複数のパターンがありうると説明しました。このパン屋でも、金曜日の夕方に家族のためにスイーツを購入して帰宅するロイヤル顧客」を育てるためのカスタマージャーニーはまた違ったものになるはずです。
ニーズごとに作成するのが理想的です。
ぜひこの図を参考に、自社のストアにおけるカスタマージャーニーのステップを考えてみてください。誰に対して、どのような目的で、どのような施策を打てばよいかが、綺麗に整理できるようになるのではないでしょうか?
ECPowerでカスタマージャーニーの各ステップを管理する
ECPowerでは、カスタマージャーニーの各ステップを「条件型顧客セグメント」として管理することができます。
たとえばこのデモストアでは、Rum Baba Fansというロイヤル顧客セグメントを育てるために、このようなステップ分けをしてカスタマージャーニーを作成してみました。
作成したそれぞれのセグメントに対して、たとえば下記のような施策が考えられます。
- “Rum Baba”を購入したことがない顧客に対して、定期的に”Rum Baba”の魅力を伝えるコミュニケーションやプロモーションを行う
- “Rum Baba”を初回購入した顧客に対して、2回目を購入してもらえるようにクーポンを配布する
- “Rum Baba”を2回以上購入したことがある顧客に対して、美味しい食べ方や、おすすめの紅茶の種類、開発秘話などを伝えるコンテンツを提供する
- “Rum Baba”を3回以上購入したことがある顧客に対して、”Rum Baba”と類似した新商品を先行販売したり、ギフト購入の割引を提供する
このように、カスタマージャーニーを考えて顧客セグメントに落とし込むことで、ロイヤル顧客を育てるために、適切な顧客に対して適切な内容のマーケティングを実施することができるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。カスタマージャーニーはストアによって内容が大きく異なるかと思いますが、うまく条件に落とし込むことでECPower上でステップを管理することができるようになります。
次の記事では、このカスタマージャーニーをさらに発展させて「適切なタイミング」でマーケティングコミュニケーションを行う方法について説明します。