近年、サブスクリプション(定期購買)やeギフト、"あと払い"など、ECにおける商品の新しい注文方法が開拓され、Shopifyにおいてもアプリを利用することで手軽に導入できるようになりました。こうした注文方法に関するイノベーションを提供するアプリでは、多くの場合Shopifyの注文タグに対してデータを保存しているため、「最も顧客数の多い注文タグ」レポートを利用することで、セグメント単位に初回、2回目購入、全体でどのような注文方法を利用している顧客が多いかを把握することができます。
「最も顧客数の多い注文タグ」レポートとは
Shopify注文タグについて
Shopifyの注文タグは、注文単位に付与されるタグです。サブスクリプションアプリやeギフトアプリなど注文方法に関わる3rdパーティアプリが自動でデータを書き込んでいるケースのほか、Shopify flowなどを利用して特定の条件で注文が行われた際に注文タグをつける設定を行うことで注文タグのデータを増やすことができます。
注文タグを充実させることで、ECPowerを利用して確認できるデータを増やすことができます。
Shopify Flowなどを利用して自分で設定をする場合は、たとえば「どのような目的で購入したか」といった購入時のアンケート回答結果を書き込んだり、包装やギフトラッピングなどのオプション内容を書き込んだりといった形で、どのような注文が行われたかをタグとして残しておくとよいです。
🏷️ 「注文タグ」別 全体での人気度(%) 【顧客数比率】
顧客セグメントの中で、どのような注文タグが人気なのかについての基礎的なインサイト得ましょう。
たとえば以下の例では、「24SSリピーター顧客セグメント」内においては3割ほどの顧客が'注文タグ: Free Shopping'を利用したことがある、というインサイトを得ることができます。
これを応用することで、様々なセグメントで「Free Shipping」の割合が高いか?をチェックし、送料無料施策が優良顧客の維持にどの程度貢献できているかを調査してみましょう。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
🏷️ 「注文タグ」別 4月、5月、...の利用者数の推移 【月次集計】
注文タグごとに各月に何人の利用者がいたかの推移を、顧客セグメントごとに把握しましょう。
たとえば以下の例では2024年4月に'Free Shipping'の利用者数が大きく跳ねていることがわかります。どのような要因でデータの変動が起きていたかを推測する手がかりとして活用してください。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
🏷️ 「注文タグ」別 初回、2回目、...での利用者数 【次数別集計】
それぞれの顧客にとっての初回、2回目、3回目の購入、または2回目以降のすべてのリピート購入において、どの注文タグを利用した人が多かったかについてのインサイトを得ましょう。
たとえば以下の例では、'Free Shipping'や'Subscription'の利用人数を、初回・2回目以降、2~4回目といった観点で比較しています。テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
ちなみに、応用編として、このインサイトを「初回購入時の注文タグ」に基づく顧客セグメントでフィルタする場合の分析例をご紹介します。
・「2回目」の列を見ることで、初回に注文タグXで購入した人が、2回目を購入する際に人気だった注文タグは何か?が分かります。
・「初回」の列の注文タグX以外のデータを見ることで、初回に注文タグXを購入した人が、どのような注文タグを同時利用しているか?が分かります。
🏷️ 「注文タグ」別 1回だけ利用 vs 複数回利用した顧客 【件数別集計】
顧客セグメント内で「複数回利用者の割合が多い注文タグ」についてのインサイトを得ましょう。それぞれの注文タグの、1回だけ利用した顧客の割合と、2回以上利用した顧客の割合を比較することができます。
たとえば以下の例では、それぞれの注文タグでゴールドの色がついている部分が'1回のみ利用した顧客の占める割合'、それより右側が'2回以上利用した顧客の占める割合'を示しています。'Free Shipping'は2回以上利用した顧客の割合が高いようですね。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
なぜ「最も顧客数の多い注文タグ」レポートが重要か
注文タグを上手に活用することで、ロイヤル顧客のカスタマージャーニーを把握することができます。たとえば普段は自分用として購入することが多いセグメントに対して、「ギフト購入」という価値提案を新しく始める場合、このレポートを活用することで「どのような商品を購入している顧客セグメントが、より多くギフト購入を利用してくれているのか?」「購入回数の多いロイヤル顧客は実際にギフト購入をどの程度してくれたのか」といった観点でデータを確認することができます。
活用例 - おすすめの顧客セグメント
「最も顧客数の多い注文タグ」レポートをどのような顧客セグメントでチェックするとよいか、いくつか例をご紹介します。
- 購入商品などニーズに基づく顧客セグメント:たとえば購入している商品ラインの違い(高価格帯商品群と低価格帯商品群や、異なるニーズに応える商品ライン)により、注文方法に違いがないかを確認してみましょう。
- リピート・ロイヤル顧客セグメント:現在のロイヤル顧客が、実際に初回・2回目・2回目以降でどのような注文方法で購入しているのかについて理解を深めましょう。
「最も顧客数の多い注文タグ」レポートを最大限に活用することで、初回や2回目以降の購入での注文方法の傾向を顧客セグメント単位で理解しましょう。複数の顧客セグメントのデータを比較して、特徴的なデータを発見しましょう。