マーケティング施策を最適化するために、ストアの顧客がどのような経路でサイトを訪問しているかを把握することはとても重要です。「最も顧客数の多い流入元」レポートを確認することで、セグメントごとにどのような経路でサイトを訪問しているかを把握することができます。初回購入やリピート購入でどのように異なるかどうかを理解し、リピート施策に活用しましょう。
「最も顧客数の多い流入元 」レポートとは
流入元(Referrer / Source)とは
オンラインストアにおいて、流入元(Referrer または Source)は、ユーザーのアクセス元を意味します。このデータはShopifyのAPI経由でECPowerに連携されており、特に購買を行うに至った最後のセッションに関するデータを利用しています。(購買を行うに至らなかったセッションはECPowerにおいてはカウントされません)
データ項目には"Direct"やFacebook, instagramなどのSNSプラットフォーム、メールプラットフォーム、"an unknown source"などが表示されています。"Direct"はユーザーが特定のプラットフォームからではなく、ブラウザの「ブックマーク」や「履歴」などから直接サイトを訪問したことを意味しています。"an unknown source"はShopifyがデータを収集することができなかったセッションに記録されます。これは例えばユーザーがブラウザのプライベートモードやVPNなどを利用している場合などがあてはあります。セッションベースのデータはユーザーの環境によってデータの収集に失敗する場合があるので、UTMパラメーターを設定するなどの方法の方がより確度が高くなります。
📣 「流入元」別 全体での人気度(%) 【顧客数比率】
顧客セグメントの中で、どのような流入元が人気なのかについての基礎的なインサイト得ましょう。
たとえば以下の例では、「24SSリピーター顧客セグメント」内においては4割強が'direct'のセッション経由でサイトを訪れて購入したことがある、というインサイトを得ることができます。
これを応用することで、たとえば「直近1か月の新規顧客」などのセグメントで、どのような流入元が人気か?昨年の新規顧客と比べて特徴的な部分はあるか?といった観点から集客経路についての分析を行うことができます。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
📣 「流入元」別 4月、5月、...の購入者数の推移 【月次集計】
流入元ごとに各月に何人の購入者がいたかの推移を、顧客セグメントごとに把握しましょう。
たとえば以下の例では 'direct'経由でのセッションが2024年6月に急激に減少していることがわかります。どのような要因でデータの変動が起きていたかを推測する手がかりとして活用してください。
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📣 「流入元」別 初回、2回目、...での購入者数 【次数別集計】
それぞれの顧客にとっての初回、2回目、3回目の購入、または2回目以降のすべてのリピート購入において、どの流入元を選んだ人が多かったかについてのインサイトを得ましょう。
たとえば以下の例では、'Direct'および'Google'経由のセッションから購入した人数を、初回・2回目以降、2~4回目といった観点で比較しています。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
ちなみに、応用編として、このインサイトを「初回購入時の流入元」に基づく顧客セグメントでフィルタする場合の分析例をご紹介します。
・「2回目」の列を見ることで、初回に流入元Xを購入した人が、2回目を購入する際に人気だった流入元は何か?が分かります。
📣 「流入元」別 1回だけ購入 vs リピート購入した顧客 【件数別集計】
顧客セグメント内で「リピーターの割合が多い流入元」についてのインサイトを得ましょう。それぞれの流入元の、1回だけ購入した顧客の割合と、2回以上購入した顧客の割合を比較することができます。
たとえば以下の例では、それぞれの流入元でゴールドの色がついている部分が'1回のみ購入した顧客の占める割合'、それより右側が'2回以上購入した顧客の占める割合'を示しています。'流入元:google'や'流入元:yahoo'は2回以上利用している顧客が少なく、'direct'は2回以上利用している顧客が比較的多いことがわかります。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
なぜ「最も顧客数の多い流入元」レポートが重要か
初回購入や、リピート購入それぞれにおいて、リピート顧客が実際にどのような経路でサイトを訪問しているかを把握することで、効果的な集客やCRM施策が実施できているかを見直すことができます。多くのリピート購入が"Direct"経由で行われている、というデータは一見すると情報が少ないようにも感じられますが、高いブランドロイヤリティのシグナルだとも捉えることができます。たとえばそれらの顧客がブランドを定期的に思い出している(ブランド想起を生めている)、またはブックマークをして定期的に確認するようなブランドロイヤリティがあるというような形で理解することも可能です。
活用例 - おすすめの顧客セグメント
「最も顧客数の多い流入元」レポートをどのような顧客セグメントでチェックするとよいか、いくつか例をご紹介します。
- リピート・ロイヤル顧客セグメント:現在のロイヤル顧客が、実際に初回・2回目以降でどのような経路で購入することが多いのかについて理解を深めましょう。
- 初回の流入元に基づく顧客セグメント:それぞれの集客チャネルでのリピート顧客が、2回目以降にどのような経路で購入しているかを把握し、セグメント間での違いについても理解を深めましょう。たとえばSNS経由で初回購入したユーザーは2回目以降もSNS経由が多い、広告経由のユーザーはブックマークから'Direct"で訪問してくることが多いなどのデータが確認できるかもしれません。
「最も顧客数の多い流入元」レポートを最大限に活用することで顧客の好みやニーズに対する理解を深め、集客施策やリピート施策を改善し、お客さまに寄り添ったコミュニケーションを実現しましょう。ぜひレポーティングのための単なる数値としてだけでなく、顧客理解を深めるために活用してみてください。