ECにおいて顧客の購買傾向を理解してリピート施策を最適化するにあたり、再購入日間隔を理解することはとても重要です。次の商品を購入する可能性が高くなったタイミングでコミュニケーションを行うことで施策の効果を最大化するだけでなく、まだ次の購入意欲が高まっていない段階(たとえば購入したばかり)の顧客をターゲットから除外することで、プロモーションを煩わしいと思われてしまう可能性を避けることにもつながります。このガイドではECPowerを利用して、顧客セグメントごとの再購入日間隔の推移や変化を自動で記録する方法について説明します。
メトリクスの定義
定義:顧客セグメントに所属する顧客の、顧客単位の複数注文間の平均日数を、全体で平均した数値
「合計購入金額」の定義と同様に、顧客単位でまずは平均値を算出したうえで、顧客セグメント全体での各顧客の平均値を算出しています。
顧客セグメントの「再購入日間隔」が重要な理由
ことECにおいては、顧客がいつ次の購入を行うかを知ることや予測をすることはとても難しいです。「再購入日間隔」は、過去の実績に基づいてこの推測を合理的に行うための有効なツールになります。「再購入日間隔」は、それぞれの顧客ニーズや属性などの違いを強く反映するため、顧客単位で大きくばらつく数字です。ニーズ別の顧客セグメント単位にこの数値を把握することで、最適なタイミングでコミュニケーションを行うことができるようになります。
さらに「再購入日間隔」は、実質的に「購入頻度」をあらわすメトリクスでもあります。たとえば「再購入日間隔/30日」の数字は、顧客が1か月あたりに何回購入を行うかという頻度に読み替えることができます。
加えて、RFM分析(注:Recency - 直近購入日、Frequency - 購入頻度、Monetary - 購入金額の観点から顧客ライフサイクルのステージを特定するセグメント分析の一種)の文脈では、直近購入日からの経過日数をRecencyの数値として利用して「アクティブ顧客」「離脱リスク顧客」「離反顧客」などと分類をしていきますが、その際の閾値となる日数を決めるうえでも重要な役割を果たします。たとえば再購入日間隔の平均値までの顧客を「アクティブ顧客」、~平均値の2倍の日数までを「離脱リスク顧客」、それ以上経過した顧客を「離反顧客」とするなどの方法があります。※この手法はあくまで一例であり、ストアの実態や商材の特性に合った日数を決めることが重要です。
最後に、ECPowerのように「売上ベース」「実績ベース」でのLTVを定義する場合、LTVは「平均購入回数」と「平均購入金額」の積として理解することができます。「平均購入回数」は、「再購入日間隔」と「顧客ライフタイム」の積に分解されますので、再購入日間隔を短縮するような施策は最終的にはLTVの向上につながるといえます。
顧客セグメントの「再購入日間隔」を時系列で追跡する方法
顧客セグメントの「平均購入回数」が時系列的に改善しているかをモニタリングすることは、リピート施策の効果を定期的にチェックする意味でもとても重要です。一方で、Shopifyの管理画面を含む多くのツールで、顧客セグメントのメトリクスの履歴を追跡する機能は提供されていません。ECPowerはこの課題を解決するソリューションで、顧客セグメントを作成した日以降のメトリクスの推移を自動的に記録し、変化を追跡することができます。
顧客セグメントのメトリクス履歴
ECPowerでは顧客セグメントごとの日次のメトリクスを自動で記録しています。「再購入日間隔」の推移についてもヒストリカルデータをグラフで確認することができ、顧客セグメントの質がどのように改善しているかをモニタリングすることができます。
データが記録されるのは、基本的には顧客セグメントを作成した日以降です。もし、顧客セグメント作成日以前の期間においてメトリクスがどのような状況だったかを把握したい場合、ECPowerのサポートチームまでお問合せください。