自社ブランド製品以外にも、複数のベンダーから商品をキュレートしてストアのラインナップを充実させているECストアにとっては、どのブランドやベンダーが売れ筋なのか、また、それぞれの顧客セグメントにとって初回の集客にどの程度影響力を持っている商品ベンダーはどこかを把握することはとても重要です。最終的に自社ブランドの購入者を増やしていきたい場合には、2回目以降の購入で自社ブランドの購入者の比率が高まっているかどうかのデータをしっかりと把握する必要があります。顧客セグメントごとに確認できる「最も顧客数の多いベンダー」レポートから、顧客の好みやエンゲージメントに関するインサイトを得ることができます。
「最も顧客数の多い販売元」レポートとは
このレポートは、各顧客セグメントにおいて購入者の多い商品ベンダーについて集計しています。顧客全体の傾向を明らかにすることが目的なので、売上ではなく顧客数やそのシェアを集計していることに注意が必要です。
💎 「販売元」別 全体での人気度(%) 【顧客数比率】
顧客セグメントの中で、どのようなブランドが人気なのかについての基礎的なインサイト得ましょう。
たとえば以下の例では、「24SSリピーター顧客セグメント」内においては6割以上が'ブランド:Herbal Haven'や'ブランド:Yume Matcha'を購入したことがある、というインサイトを得ることができます。
これを応用することで、たとえば「直近1か月のリピーター顧客」「購入回数5回以上のロイヤル顧客」などのセグメントで、どのようなブランドが人気か?新規顧客やストア全体のデータと比べて特徴的な部分はあるか?といった観点から分析を行うことができます。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
💎 「販売元」別 4月、5月、...の購入者数の推移 【月次集計】
ブランドごとに各月に何人の購入者がいたかの推移を、顧客セグメントごとに把握しましょう。
たとえば以下の例では 2024年5月に'ブランド:Noir Tea Co.'の購入者数が大きく跳ねていることがわかります。どのような要因でデータの変動が起きていたかを推測する手がかりとして活用してください。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
💎 「販売元」別 初回、2回目、...での購入者数 【次数別集計】
それぞれの顧客にとっての初回、2回目、3回目の購入、または2回目以降のすべてのリピート購入において、どのブランドを選んだ人が多かったかについてのインサイトを得ましょう。
たとえば以下の例では、初回購入時には'ブランド:Yume Matcha'を購入する人が多い一方で、'ブランド:Noir Tea Co.'は初回での購入はほとんどありません。一方、「2回目以降」のリピート購入においては同じような人数が購入しているというデータを確認することができます。'Noir Tea Co.'というブランドの特性や、新規顧客向けの販売戦略見直しの必要性などを検討してみましょう。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
ちなみに、応用編として、このインサイトを「初回購入時のブランド」に基づく顧客セグメントでフィルタする場合の分析例をご紹介します。
・「2回目」の列を見ることで、初回にブランドXを購入した人が、2回目を購入する際に人気だったブランドは何か?が分かります。
・「初回」の列のブランドX以外のデータを見ることで、初回にブランドXを購入した人が、どのようなブランドを合わせ買いしているか?が分かります。
💎「販売元」別 1回だけ購入 vs リピート購入した顧客 【件数別集計】
顧客セグメント内で「リピーターの割合が多いブランド」についてのインサイトを得ましょう。それぞれのブランドの、1回だけ購入した顧客の割合と、2回以上購入した顧客の割合を比較することができます。
たとえば以下の例では、それぞれのブランドでゴールドの色がついている部分が'1回のみ購入した顧客の占める割合'、それより右側が'2回以上購入した顧客の占める割合'を示しています。'ブランド:Yume Matcha'は半数以上がリピーターで、'ブランド:Ancient Brew'は最もリピーターが少ないことがわかります。
リピートマーケティングの観点から、どのブランドにテコ入れが必要かという検討に活用してみてください。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
なぜ「最も顧客数の多い販売元」レポートが重要か
自社ブランド製品以外にも、複数のベンダーから商品をキュレートしてストアのラインナップを充実させているECストアにとっては、どのブランドが最も顧客のロイヤリティに貢献しているかを定期的に振り返り、商品ラインナップを見直すことはとても大切です。ラインナップがトレンドから遅れていないかを確認し、必要であれば不人気のベンダーの商品は入れ替えを検討してみましょう。
他にも、カスタマージャーニーの観点からベンダーを見ることでインサイトを得ることができます。たとえば自社ブランド商品を持っており、著名なブランドの商品で集客をしながら最終的に自社ブランドを売っていきたいと考えるのであれば、入り口として適切なブランドを選べているかを初回、2回目以降のそれぞれのレポートを見ながら定期的にチェックしてみましょう。
活用例 - おすすめの顧客セグメント
- 初回購入時のブランド・商品ベンダーに基づくセグメント:もし他社のブランドを導入として最終的に自社ブランド商品購入を増やしたいと考えている場合、初回に購入したベンダー別の顧客セグメントを複数作成してみましょう。「2回目以降」において自社ブランド商品の購入者比率をセグメント間で比較することで、導入として適切なブランド・商品ベンダーを特定することができます。
「最も顧客数の多い商品販売元」レポートを最大限に活用することで、顧客の好みやニーズに対する理解を深め、集客施策やリピート施策を改善し、お客さまに寄り添ったコミュニケーションを実現しましょう。ぜひレポーティングのための単なる数値としてだけでなく、顧客理解を深めるために活用してみてください。