Shopifyを利用してオンラインストア以外のチャネル(たとえば実店舗など)にも商品を展開しており、チャネルをまたいだ購買体験を提供しようとしている場合、「最も顧客数の多い販売チャネル」レポートを確認してみてください。ロイヤル顧客セグメントが、初回購入や2回目以降のリピート購入において実際に複数のチャネルをまたいだ購入を行っているかどうかをチェックすることができます。
「最も顧客数の多い販売チャネル」レポートとは
Shopifyにおける販売チャネル(Sales Channel)とは
Shopifyの販売管理・商品管理機能を利用しながら、Shopifyを利用して構築したオンラインストアだけでなく、自社のブログに購入ボタンを設置したり、Instagramやyoutube、Facebookの投稿などから直接商品を購入できるようにしている場合、これらは「販売チャネル」と呼ばれます。Shopifyを利用した主要な販売チャネルは以下のようなものがあります。
- Online Store: Shopifyを利用して構築したオンラインストアでの販売
- Point of Sale: 「Shopify POS」経由での販売 ※主に実店舗での販売
- Shop App: Shopifyが提供するオンラインモールである「Shop」経由での販売
- SNS platform: InstagramやFacebookなどでの販売
- Buy button: ShopifyではないWebサイトに設置した「購入ボタン」経由での販売
- Shopify inbox: Shopify inboxでのやり取りの中で発生した販売
ECPowerで表示される販売チャネルデータについて
ECPowerでは、Shopifyがデフォルトで定義している上記の販売チャネルのほかに「販売チャネルアプリ」を販売チャネルとして利用しています。たとえばフィードフォース社のスマレジ会員データ連携アプリで連携された実店舗のデータは、販売チャネル:「Omnihub - スマレジ連携」 と表示されますし、Stack社のソリューション「Appify」で構築されたアプリ経由の注文は、、販売チャネル:「Appify - モバイルアプリ」というデータで表示されます。
🏠 「販売チャネル」別 全体での人気度(%) 【顧客数比率】
顧客セグメントの中で、どのような販売チャネルが人気なのかについての基礎的なインサイト得ましょう。
たとえば以下の例では、「24SSリピーター顧客セグメント」内においてはほとんどの顧客が'販売チャネル: Online store'で購入したことがある、というインサイトを得ることができます。
これを応用することで、たとえば「実店舗(Point of sale)顧客」「購入回数が多いロイヤル顧客」などのセグメントで、どのような販売チャネルが人気か?ストア全体のデータと比べて特徴的な部分はあるか?といった観点から集客経路についての分析を行うことができます。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
🏠 「販売チャネル」別 4月、5月、...の購入者数の推移 【月次集計】
販売チャネルごとに各月に何人の購入者がいたかの推移を、顧客セグメントごとに把握しましょう。
たとえば以下の例では 'Online store'での購入顧客数が2024年4月~5月に特に好調だったことがわかります。どのような要因でデータの変動が起きていたかを推測する手がかりとして活用してください。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
🏠 「販売チャネル」別 初回、2回目、...での購入者数 【次数別集計】
それぞれの顧客にとっての初回、2回目、3回目の購入、または2回目以降のすべてのリピート購入において、どの販売チャネルを選んだ人が多かったかについてのインサイトを得ましょう。
たとえば以下の例では、'Online Store'、'Point of Sale'および'Mobile App'での購入人数を、初回・2回目以降、2~4回目といった観点で比較しています。初回は'Online store'で購入する顧客が多いですが、2回目以降になると実店舗(PoS)などの利用顧客数が増えることがわかります。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
ちなみに、応用編として、このインサイトを「初回購入時の販売チャネル」に基づく顧客セグメントでフィルタする場合の分析例をご紹介します。
・「2回目」の列を見ることで、初回に販売チャネルXで購入した人が、2回目を購入する際に人気だった販売チャネルは何か?が分かります。
🏠 「販売チャネル」別 1回だけ購入 vs 複数回利用した顧客 【件数別集計】
顧客セグメント内で「リピーターの割合が多い販売チャネル」についてのインサイトを得ましょう。それぞれの販売チャネルの、1回だけ購入した顧客の割合と、2回以上購入した顧客の割合を比較することができます。
たとえば以下の例では、それぞれの販売チャネルでゴールドの色がついている部分が'1回のみ購入した顧客の占める割合'、それより右側が'2回以上購入した顧客の占める割合'を示しています。'Online store'は2回以上利用している顧客が比較的多く、'Shop'や'Mobile App'は1回のみの利用にとどまっている顧客の割合が多いことが分かります。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
なぜ「最も顧客数の多い販売チャネル」レポートが重要か
SNSや実店舗、オンラインストアなど様々な販売チャネルごとに販売データを集計することももちろん重要です。一方で、チャネルをまたぐ軸でのセグメント(たとえば「ロイヤル顧客」や「特定の商品ラインのファン」など)において、どのようなチャネルの顧客が多いのかを"逆引き"して見ることが大切です。さらには、初回・2回目など購入ステップ単位でデータを確認することで、チャネルをまたいだカスタマージャーニーがどの程度実現できているのかについても理解することができます。
活用例 - おすすめの顧客セグメント
「最も顧客数の多い販売チャネル」レポートをどのような顧客セグメントでチェックするとよいか、いくつか例をご紹介します。
- 初回の販売チャネルに基づく顧客セグメント:たとえば初回に実店舗で購入した顧客セグメント、初回にオンラインストアで購入した顧客セグメントそれぞれで、別の販売チャネルでの購入がどの程度発生しているかを確認してみましょう。実店舗での購入内容にあわせてオンラインストアでのフォローアップ購入を促したり、逆にオンラインストアでのみ購入している顧客に対して、近隣の店舗への来訪を促したりといったオムニチャネル施策につなげることができます。
- リピート・ロイヤル顧客セグメント:現在のロイヤル顧客が、実際に初回・2回目以降でどのような販売チャネルで購入しているのかについて理解を深めましょう。
「最も顧客数の多い販売チャネル」レポートを最大限に活用することでそれぞれの販売チャネルが集客やリピート購入の面でどのように貢献しているかを理解しましょう。さらに、チャネルをまたいだOMO施策の全体像を理解するためにも活用してみましょう。