「クーポン」は広く利用されるマーケティング手法ですが、使いどころや対象の商品などによっては、「クーポンハンター」を惹きつけてしまうなど、意図とは反する結果になってしまうこともあります。ストアの長期的な利益に貢献している「ロイヤル顧客セグメント」などで多く使われているクーポンを把握して、どのような形のクーポンが顧客のロイヤリティに貢献しているかを理解しましょう。
「最も顧客数の多いクーポン」レポートとは
🎟 「クーポン」別 全体での人気度(%) 【顧客数比率】
顧客セグメントの中で、どのようなクーポンが人気なのかについての基礎的なインサイト得ましょう。
たとえば以下の例では、「24SSリピーター顧客セグメント」内においては1割弱の顧客が'クーポン: Discount5'を利用したことがある、というインサイトを得ることができます。
これを応用することで、たとえば「新規x離反顧客(1度だけ購入して去ってしまった顧客)」でどのようなクーポンが人気か?を把握し、質の悪い'クーポンハンター'を引き寄せてしまっているクーポン施策を洗い出しましょう。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
🎟 「クーポン」別 4月、5月、...の利用者数の推移 【月次集計】
クーポンごとに各月に何人の利用者がいたかの推移を、顧客セグメントごとに把握しましょう。
たとえば以下の例では2024年5月に'Discount5'や'Discount6'の利用者数が大きく跳ねていることがわかります。どのような要因でデータの変動が起きていたかを推測する手がかりとして活用してください。
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🎟 「クーポン」別 初回、2回目、...での利用者数 【次数別集計】
それぞれの顧客にとっての初回、2回目、3回目の購入、または2回目以降のすべてのリピート購入において、どのクーポンを使った人が多かったかについてのインサイトを得ましょう。
たとえば以下の例では、'Discount5'や'Discount6'の利用人数を、初回・2回目以降、2~4回目といった観点で比較しています。初回は'Discount5'を利用する顧客が多いですが、2回目以降になると'Discount5'の利用者は減り、'Discount6'などほかクーポンの利用顧客数が増えることがわかります。
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ちなみに、応用編として、このインサイトを「初回購入時のクーポン」に基づく顧客セグメントでフィルタする場合の分析例をご紹介します。
・「2回目」の列を見ることで、初回にクーポンXを利用した人が、2回目を購入する際に人気だったクーポンは何か?が分かります。
🎟 「クーポン」別 1回だけ利用 vs 複数回利用した顧客 【件数別集計】
顧客セグメント内で「リピーターの割合が多いクーポン」についてのインサイトを得ましょう。それぞれのクーポンの、1回だけ利用した顧客の割合と、2回以上利用した顧客の割合を比較することができます。
たとえば以下の例では、それぞれのクーポンでゴールドの色がついている部分が'1回のみ利用した顧客の占める割合'、それより右側が'2回以上利用した顧客の占める割合'を示しています。どのクーポンも基本的に1回のみの利用にとどまっているようですが、一番下の'Discount1'のみ複数回利用されているようです。
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なぜ「最も顧客数の多いクーポン」レポートが重要か
クーポンは広く使われるマーケティング手法ですが、乱用することでストアの利益率を圧迫したり、「クーポンハンター」などのストアの長期的な利益に貢献しない顧客のみを惹きつけてしまうなどの課題が生まれることもあります。「どのような属性の顧客に対して有効か」「どのようなタイミング・購買フェーズにいる顧客に有効か」などの観点から、高い効果の見込まれるターゲットセグメントを絞って施策を実施することが特に重要です。「最も顧客数の多いクーポン」レポートを、現在のロイヤル顧客セグメントでフィルタして確認することで、これらの観点に対する示唆を得ることができます。たとえば、どのような種類・形式のクーポンがロイヤリティの向上に寄与するのか、もしくは休眠顧客の掘り起こしに有効かなどの点について理解を深めましょう。
活用例 - おすすめの顧客セグメント
「最も顧客数の多いクーポン」レポートをどのような顧客セグメントでチェックするとよいか、いくつか例をご紹介します。
- リピート・ロイヤル顧客セグメント:購入回数が多い顧客が、どのようなクーポンを利用していたのかを把握して、ロイヤリティ向上に寄与するクーポンの形式や内容について示唆を得ることができます。
- 休眠顧客セグメント・休眠から戻ってきた顧客セグメント:「直近の購入からの経過日」を利用した「休眠顧客セグメント」「離反顧客セグメント」などで、どのようなクーポンが休眠掘り起こしの目的に適しているかについての示唆を得ることができます。
「最も顧客数の多いクーポン」レポートを最大限に活用することで、どのような属性やタイミング、フェーズの顧客に対して、どのようなクーポン施策を打つとよいのかに関する示唆を得て、マーケティング施策を最適化しましょう。