ストアのお客さまはそれぞれ異なるニーズや好みを持っており、購買パターンも異なります。購入商品などニーズに応じて顧客セグメントを管理するだけでなく、それぞれのセグメントの顧客の購買パターンや傾向を把握することは、お客さまに寄り添った施策を実現するうえでとても大切です。重要な顧客セグメントの過去の購買データから傾向を学び、次のマーケティングに活かしましょう。このレポートは各顧客セグメントにおける人気の商品について「商品タイプ」の観点から分析します。
「最も顧客数の多い商品タイプ 」レポートとは
「最も顧客数の多い商品タイプ」は、顧客セグメントにおける商品購入の好みや傾向に関して、「商品のカテゴリ」のレイヤーで人気度・顧客数や比率をレポートしています。なお、各商品カテゴリの販売数ではなく、あくまで各商品カテゴリを購入したことがある顧客数を集計している点に注意が必要です。
🛍️ 「商品タイプ」別 全体での人気度(%) 【顧客数比率】
顧客セグメントの中で、どのような商品タイプが人気なのかについての基礎的なインサイト得ましょう。
たとえば以下の例では、顧客セグメント内において61.9%と過半数以上の顧客が'商品タイプ:Green Tea Bags'を購入したことがある、というインサイトを得ることができます。
これを応用することで、たとえば「直近1か月のリピーター顧客」「購入回数5回以上のロイヤル顧客」などのセグメントで、どのような商品タイプが人気か?新規顧客やストア全体のデータと比べて特徴的な部分はあるか?といった観点から分析を行うことができます。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
🛍️ 「商品タイプ」別 4月、5月、...の購入者数の推移 【月次集計】
商品タイプごとに各月に何人の購入者がいたかの推移を、顧客セグメントごとに把握しましょう。
たとえば以下の例では 2024年4月-5月の区間で'商品タイプ:Black Tea Bags'の購入者数が大きく跳ねていることがわかります。どのような要因でデータの変動が起きていたかを推測する手がかりとして活用してください。
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🛍️ 「商品タイプ」別 初回、2回目、...での購入者数 【次数別集計】
それぞれの顧客にとっての初回、2回目、3回目の購入、または2回目以降のすべてのリピート購入において、どの商品タイプを選んだ人が多かったかについてのインサイトを得ましょう。
たとえば以下の例では、初回購入時には'商品タイプ:Herbal Tea Bags'を購入する人の割合が'商品:Black Tea Bags'を購入する人に比べてとても多いですが、「2回目以降」のリピート購入においては割合が逆転している、というデータを確認することができます。
後者の方がよりリピート顧客に好まれる商品であるという可能性や、前者の商品は比較的満足度に問題があるというような可能性があるので、これらを深く分析する手がかりとして活用してください。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
ちなみに、応用編として、このインサイトを「初回購入時の商品タイプ」に基づく顧客セグメントでフィルタする場合の分析例をご紹介します。
・「2回目」の列を見ることで、初回に商品タイプXを購入した人が、2回目を購入する際に人気だった商品タイプは何か?が分かります。
・「初回」の列の商品タイプX以外のデータを見ることで、初回に商品タイプXを購入した人が、どのような商品タイプを合わせ買いしているか?が分かります。
🛍️ 「商品タイプ」別 1回だけ購入 vs リピート購入した顧客 【件数別集計】
顧客セグメント内で「リピーターの割合が多い商品」についてのインサイトを得ましょう。それぞれの商品の、1回だけ購入した顧客の割合と、2回以上購入した顧客の割合を比較することができます。
たとえば以下の例では、それぞれの商品タイプでゴールドの色がついている部分が'1回のみ購入した顧客の占める割合'、それより右側が'2回以上購入した顧客の占める割合'を示しています。'商品タイプ:Green Tea Bags'が際立ってリピーターの割合が多く、'商品タイプ:Herbal Tea Snacks'は比較的リピーターが少ないことがわかります。
リピートマーケティングの観点から、どの商品タイプにテコ入れが必要かの検討にあたって活用してみてください。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
なぜ「最も顧客数の多い商品タイプ 」レポートが重要か
ある顧客セグメントにおいてどのような商品が購入されているかの情報は、単に「売れ筋商品」や「新商品の売れ行き」を把握すること以上に、顧客セグメントが全体の傾向としてどのようなニーズや好みを持っているかについての示唆を得ることができるという点でとても重要です。こと特にSKUの多いストアにおいては、商品単位での詳細なレポートではデータがばらついてしまうため、重要な傾向を見落としてしまうということが起きがちです。「商品タイプ」は、自社で定義できる商品のカテゴリです。このレイヤーで顧客の購買行動を把握することで、より大局的な傾向についての示唆を得ることができます。
特に「初回」「2回目」についてのレポートは、顧客の購買プロセスについてより実践的なインサイトを得ることができます。カスタマージャーニーの”入口”でどのようなカテゴリーの商品をプロモーションすればロイヤリティの高い顧客を増やすことができるのかについて、他社の事例からではなく、自社の実際のロイヤル顧客の過去の購買データから学びましょう。
活用例 - おすすめの顧客セグメント
「最も顧客数の多い商品タイプ」レポートをどのような顧客セグメントでチェックするとよいか、いくつか例をご紹介します。
- 初回購入商品タイプに基づく顧客セグメント:どの商品タイプが2回目に人気かをチェックすることで、購入した商品カテゴリ別の新規顧客に対してのリピート施策を具体化することができます。
- 初回の集客チャネルやキャンペーンに基づく顧客セグメント:それぞれの集客チャネルにおいて、どのカテゴリーの商品が実際のコンバージョン(商品購入)に繋がっているのかを把握することで、プロモーションする商品リストを最適化しましょう。さらに、獲得した新規顧客に対してどのような商品をおすすめするとリピート購入に繋がりやすいかに関しての示唆を得ることができます。
- RFMセグメントなど、マーケティングにおいて注力している顧客セグメント:ターゲティングしているセグメントの顧客は、実際にどのような好みやニーズを持っているかについて理解を深め、顧客に寄り添ったマーケティング施策を具体化してみましょう。
「最も顧客数の多い商品タイプ」レポートを最大限に活用することで顧客の好みやニーズに対する理解を深め、集客施策やリピート施策を改善し、お客さまに寄り添ったコミュニケーションを実現しましょう。ぜひレポーティングのための単なる数値としてだけでなく、顧客理解を深めるために活用してみてください。