ストアのお客さまはそれぞれ異なるニーズや好みを持っており、購買パターンも異なります。購入商品などニーズに応じて顧客セグメントを管理するだけでなく、それぞれのセグメントの顧客の購買パターンや傾向を把握することは、お客さまに寄り添った施策を実現するうえでとても大切です。重要な顧客セグメントの過去の購買データから傾向を学び、次のマーケティングに活かしましょう。このレポートは各顧客セグメントにおける人気の商品について分析します。
「最も顧客数の多い商品 」レポートとは
「最も顧客数の多い商品」は、顧客セグメントにおける商品購入の好みや傾向に関して、とくに人気度・顧客数の観点からレポートしています。各商品の販売数ではなく、あくまで各商品を購入したことがある顧客数を集計している点に注意が必要です。
🎁 「商品」別 全体での人気度(%) 【顧客数比率】
顧客セグメントの中で、どのような商品が人気なのかについての基礎的なインサイト得ましょう。
たとえば以下の例では、顧客セグメント内において57.5%と過半数以上の顧客が'商品:Uji Matcha Green Tea'を購入したことがある、というインサイトを得ることができます。
これを応用することで、たとえば「直近1か月のリピーター顧客(2回目以降の購入を行った顧客)」「購入回数5回以上のロイヤル顧客」などのセグメントでどのような商品が人気か?新規顧客やストア全体のデータと比べて特徴的な部分はあるか?といった観点から分析を行うことができます。
テーブル形式で表示すると上位100項目までのデータを表形式で確認でき、CSVでデータをダウンロードできます。
🎁 「商品」別 4月、5月、...の購入者数の推移 【月次集計】
商品ごとに各月に何人の購入者がいたかの推移を、顧客セグメントごとに把握しましょう。
たとえば以下の例では '商品:Uji Match Green Tea'の購入者数のピークは2024年6月であった一方で、翌月の2024年7月には購入者数が大きく減っていること、逆に'商品:Canadian Herbal Tea'の購入者がピークになっていることなどがわかります。
各月にどのような要因でデータの変動が起きていたかを推測する手がかりとして活用してください。
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🎁「商品」別 初回、2回目、...での購入者数 【次数別集計】
それぞれの顧客にとっての初回、2回目、3回目の購入、または2回目以降のすべてのリピート購入において、どの商品を選んだ人が多かったかについてのインサイトを得ましょう。
たとえば以下の例では、初回購入時には'商品:Matcha Flavored Rice Cakes'を購入する人の割合が'商品:Chamomile Tea Honey Sticks'を購入する人に比べてとても多いですが、「2回目以降」のリピート購入においては割合が逆転している、というインサイトを得ることができます。
後者の方がよりリピート顧客に好まれる商品であるという可能性や、前者の商品は比較的満足度に問題があるというような可能性があるので、これらを深く分析する手がかりとして活用してください。
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ちなみに、応用編として、このインサイトを「初回購入時の商品」に基づく顧客セグメントでフィルタする場合の分析例をご紹介します。
・「2回目」の列を見ることで、初回に商品Xを購入した人が、2回目を購入する際に人気だった商品は何か?が分かります。
・「初回」の列の商品X以外のデータを見ることで、初回に商品Xを購入した人が、どのような商品を合わせ買いしているか?が分かります。
また、別の観点として、このインサイトを「初回購入時の商品タイプ」に基づく顧客セグメントでフィルタしてみましょう。
・「初回」の列のデータを見ることで、初回に商品タイプXを購入した人は、実際にはどの商品を買っていることが多かったのか?という深掘り分析を行うことができます。
🎁「商品」別 1回だけ購入 vs リピート購入した顧客 【件数別集計】
顧客セグメント内で「リピーターの割合が多い商品」についてのインサイトを得ましょう。それぞれの商品の、1回だけ購入した顧客の割合と、2回以上購入した顧客の割合を比較することができます。
たとえば以下の例では、それぞれの商品でゴールドの色がついている部分が'1回のみ購入した顧客の占める割合'、それより右側が'2回以上購入した顧客の占める割合'を示しています。'商品:Uji Matcha Green Tea'が際立ってリピーターの割合が多く、その下の'商品:Ceylon Orange...'はほとんどリピーターがいないことがわかります。
どの商品にテコ入れが必要かの検討にあたって活用してみてください。
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なぜ「最も顧客数の多い商品 」レポートが重要か
ある顧客セグメントにおいてどのような商品が購入されているかの情報は、単に「売れ筋商品」や「新商品の売れ行き」を把握すること以上に、顧客セグメントが全体の傾向としてどのようなニーズや好みを持っているかについての示唆を得ることができるという点でとても重要です。このレポートが商品販売数ベースではなく、顧客数ベースでの集計になっている背景にはこうした理由があります。単なる販売の数値として捉えるのではなく、「全体の中でどの程度の顧客がその購買パータンを持っているのだろうか」という観点や「顧客がどのような点でブランドに価値を感じているのか」などの観点から示唆を得られないか検討してみましょう。
特に「初回」「2回目」についてのレポートは、顧客の購買プロセスについてより実践的なインサイトを得ることができます。カスタマージャーニーの”入口”でどのような商品をプロモーションすればロイヤリティの高い顧客を増やすことができるのかについて、他社の事例からではなく、自社の実際のロイヤル顧客の過去の購買データから学びましょう。
活用例 - おすすめの顧客セグメント
「最も顧客数の多い商品」レポートをどのような顧客セグメントでチェックするとよいか、いくつか例をご紹介します。
- 初回購入商品に基づく顧客セグメント:どの商品が2回目に人気かをチェックすることで、購入した商品別の新規顧客に対してのリピート施策を具体化することができます。
- 初回の集客チャネルやキャンペーンに基づく顧客セグメント:それぞれの集客チャネルにおいて、どの商品が実際のコンバージョン(商品購入)に繋がっているのかを把握することで、プロモーションする商品リストを最適化しましょう。さらに、獲得した新規顧客に対してどのような商品をおすすめするとリピート購入に繋がりやすいかに関しての示唆を得ることができます。
- RFMセグメントなど、マーケティングにおいて注力している顧客セグメント:ターゲティングしているセグメントの顧客は、実際にどのような好みやニーズを持っているかについて理解を深め、顧客に寄り添ったマーケティング施策を具体化してみましょう。
「最も顧客数の多い商品」レポートを最大限に活用することで顧客の好みやニーズに対する理解を深め、集客施策やリピート施策を改善し、お客さまに寄り添ったコミュニケーションを実現しましょう。ぜひレポーティングのための単なる数値としてだけでなく、顧客理解を深めるために活用してみてください。