ECPower

店舗データを統合し、チャネル横断の購買行動を分析する

増田 大夢
・ 読了 約3分

このユースケースでは、店舗とECに分断されがちな顧客データを統合し、チャネルを横断した購買行動を整理することで、次の施策につなげる方法を解説します。

解決する課題

店舗とECの両方を運営している場合でも、顧客データはチャネルごとに分断されたままになっているケースが少なくありません。
その結果、店舗ではよく買っているのにECでは購入していない顧客や、ECでは常連だが店舗では一度も購入していない顧客が見えない状態になってしまいます。

売上や会員数は把握できていても、「チャネルをまたいだ顧客の動き」が分からなければ、OMO施策やCRM施策は感覚的なものになってしまいます。

できるようになること

このユースケースを実践すると、店舗とECを横断した顧客行動を一つの視点で捉えられるようになります。
チャネルごとの役割や顧客の使い分けが明確になり、店舗・ECそれぞれを活かした施策設計が可能になります。

結果として、チャネル単体の最適化ではなく、全体最適の視点で売上とLTVを伸ばせるようになります。

ユースケース

STEP1:店舗データをEC・顧客データに統合する

最初に行うのは、店舗での購買データをEC側の顧客データと統合することです。
POSデータや会員データをもとに、店舗とECで同一顧客をひも付けられる状態を作ります。

STEP2:チャネル別に顧客をセグメントする

次に、統合したデータをもとに、チャネルごとの購買実態で顧客を分けていきます。
ここでは購入チャネルそのものを軸に、顧客を整理します。

  • ECのみで購入している顧客

  • 店舗のみで購入している顧客

  • 店舗とECの両方で購入している顧客

この切り分けを行うことで、「どのチャネルが入口になっているのか」「どのチャネルがリピートに使われているのか」といった構造が見え始めます。

STEP3:チャネル横断の購買行動を分析し、施策に活かす

最後に、セグメントごとの購買行動を分析し、施策に落とし込んでいきます。
ここでは売上の大小ではなく、チャネルの使われ方に注目します。

例えば、店舗のみ購入している顧客は来店頻度が高い一方で、ECへの導線が不足している可能性があります。
ECのみ購入している顧客は利便性重視で、店舗体験に触れる機会がない状態かもしれません。
店舗とECの両方で購入している顧客は、LTVが高く、ブランドへの理解も深い傾向があります。

こうした違いを整理することで、
店舗来店後のECフォロー、EC購入者への店舗イベント案内、両チャネル利用者への優先施策、
といったチャネルをまたいだ施策設計が可能になります。

まとめ

店舗とECを横断した購買行動を理解するために重要なのは、チャネル別に分けて考えることではなく、顧客を起点に統合して捉えることです。
データを一つにまとめ、顧客行動として整理することで、チャネルは分断された売り場ではなく、役割を持った接点として機能し始めます。

まずは、店舗とECを行き来している顧客がどれくらいいるのかを把握するところから始めてみてください。

AUTHOR
増田 大夢
株式会社ECPower 代表取締役CEO

東京大学工学部卒業後、株式会社サイバーエージェントに入社。ABEMAのエンジニア・データサイエンティストとして、CM配信サーバーの開発に従事。2020年に株式会社ECPowerを創業し、Shopifyを活用したEC事業者向けの支援サービスを展開。2026年、同社をフィードフォースグループに売却し、グループに参画。

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