
香水ブランドのECサイトで発生していた、商品購入時の必須情報の入力漏れという課題を、購入体験を損なわない設計と最適なアプリ導入で解決した事例です。
背景・課題
香水ブランドのECサイトでは、店舗で購入した香水を後日ECサイトから再購入できる仕組みを提供していました。
そのため、どの香水を再購入するかを特定するために、購入時には店舗で作成した香水のレシピ情報を確認する必要がありました。
これまでは、再購入時に顧客自身がそのレシピ情報を思い出し、カート画面に設置された入力フォームへ手動で記入するという運用を行っていました。
しかし、以下のような課題が顕在化していました。
- チェックアウトへ直接遷移する顧客が多く、フォームが入力されない
- フォーム未記入でも購入できてしまい、情報漏れが発生
- 対象商品以外を購入した顧客にもフォームが表示されてしまう
- 情報不足により、購入後の問い合わせ・確認対応の工数が高い
「店舗で購入 → ECで再購入」という体験自体は便利である一方、レシピ情報を顧客に正確に入力してもらう前提の設計がボトルネックとなり、「入力してほしいが、入力されない」「必要な人にだけ出したいが、制御できていない」という、ECではよくある構造的な課題につながっていました。
提案内容
今回の改善では、「どこで入力させるべきか?」を根本から見直しました。
- カート画面に設置していたレシピ入力フォームを撤廃
- 商品ごとに必要な情報を、商品追加時点で必須入力させる設計へ変更
- 詳細なレシピ情報は顧客に記入させず、「名前・店舗来店日」などの必要最低限の情報をもとに、担当者側で履歴を確認する運用へ切り替え
- Shopifyの商品オプションアプリを活用し、実装コストと運用負荷を最小化
「後から入力させる」「全部書かせる」のではなく、購入体験を壊さず、運営が判断できる情報だけを確実に取得する構成に変更しました。
実装・解決方法

具体的には、以下の対応を行いました。
- Globo Product Options を導入
- 対象商品にのみ、入力項目を必須設定(名前・店舗来店日)
- 商品をカートに追加する時点で入力が完了しないと進めない設計
- 入力内容は注文詳細画面で確認でき、運用担当者の確認工数を削減
これにより、
- 入力漏れが構造的に発生しない
- 不要な商品・顧客にはフォームが表示されない
- 購入後の確認連絡がほぼ不要
という状態を実現しました。
導入後の変化・良かった点
- 再購入時の情報入力漏れが解消
- 問い合わせ・確認対応の工数を大幅に削減
- 商品オプションを活用し、ギフト商品へのメッセージ入力にも対応可能に
単なる「不具合修正」ではなく、今後の商品展開にも使える拡張性のある設計になった点も大きな成果です。
ECPowerの考え方

ECPowerでは、「顧客を迷わせない設計」を何より大切にしています。
売上を伸ばすために重要なのは、派手な施策を重ねることではなく、購入体験と運用実態のズレを一つずつ解消していくことだと考えています。
ECPowerは、Shopifyに特化したテーマ改修、アプリ選定・実装、運用を見据えた設計を通じて、
運用コストを抑えながら、成果が積み上がるEC運営を支援しています。

