
イベント・カレンダー分析
顧客分析でやりたいことは、突き詰めるとシンプルです。お客様一人ひとりを理解して、最適な人に、最適なタイミングで、最適な訴求を届ける。そうやって、もう一度買ってもらう。
その「最適なタイミング」を、自然に作ってくれるものがあります。イベントです。1年を振り返ってみると、お客様が何かを買う理由が生まれる日が、あちこちに点在しています。母の日、夏のシーズン、年末の大型セール、そして一人ひとりの誕生日。こうした日は、お客様の気持ちが動きやすく、ふだんより一歩前に出やすいタイミングです。
ただ、多くのストアでは、こうした日を「その日の売上」だけで見て終わってしまいます。「今年の母の日は去年より売れた」「セールで○○円の売上が立った」。そこで止まると、せっかくのイベントが半分しか活きません。
この記事では、イベントを売上の日で終わらせず、顧客分析の起点として使う方法を整理します。
イベントの種類

ひとくちにイベントといっても、中身はさまざまです。大きく分けると、2つの系統があります。
単発イベント
お店が自分で仕掛けるもので、日付をお店側で決められます。暦とは関係なく、好きなタイミングで起こせます。
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値引き・特典(50%OFFセール・タイムセール・クーポン配布・ポイント2倍・送料無料)
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商品の打ち出し(新商品の発売・再入荷・予約販売・コラボ商品の発売)
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売り場・体験(ライブコマース・ポップアップ・催事出店)
カレンダーイベント
毎年、決まった時期にやってくるものです。日付はお店が決めるのではなく、もともとカレンダーで決まっています。
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シーズン(春夏、秋冬など)
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長期休み(夏休み・年末年始・ゴールデンウィーク)
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年中行事(母の日・父の日・バレンタイン・クリスマス)
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毎年決まった時期のセール(BFCM・年末セール・周年セール)
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一人ひとりの記念日(誕生日・記念日)
種類はいろいろありますが、共通点は2つです。どれも「お客様が買う理由が生まれる」日であること。そして、どれも「繰り返し巡ってくる」ことです。この2つがあるおかげで、どのイベントも同じやり方で分析でき、しかも何度も繰り返し使えます。
イベントを「売上の日」で終わらせない
イベントをその日の売上だけで見ると、大事なことを見落とします。
たとえばセールで100万円の売上が立ったとして、その中身が、新しく来てくれた人なのか、いつも買ってくれる常連さんが安いから前倒しで買っただけなのか。これは売上の数字だけでは分かりません。前者なら新しいお客様が増えたことになりますが、後者なら、来月買うはずだったものが今月に移っただけ、ということもあります。同じ100万円でも、中身はまったく違います。
イベントの本当の価値は、その日の売上ではなく、その前後にあります。イベントは毎年・毎シーズン繰り返し巡ってくるので、2つの使い方ができます。ひとつは、お客様の状態を見つめ直す定点観測のタイミングとして。もうひとつは、お客様にもう一度声をかける自然なきっかけとして。「母の日なので」「夏が来たので」と言えば、それだけで案内を送る理由になります。ふだんは連絡しづらいお客様にも、イベントなら自然に近づけます。
イベントでやるべき3つのこと

イベントの種類が単発型でもカレンダー型でも、やることは変わりません。次の3つです。
1. 獲得したお客様が育っているかを見る
これは売上に頼らない見方です。「去年のこのイベントで初めて買ったお客様」というセグメントを作って、そのセグメントの今のLTVやリピート率を見ます。1年経った今、リピートして育っているのか、それとも一度きりで終わっているのか。
イベントごとにこのセグメントを作って並べれば、比較もできます。「去年の母の日に初めて買った人」と「去年の夏に初めて買った人」を見比べると、どのイベントが育つお客様を連れてきたのかが分かります。その日いくら売れたかではなく、そのとき来てくれた人が、その後どれだけ育ったか。同じ売上でも、育つお客様を連れてきたイベントと、その日だけで終わるお客様を連れてきたイベントとでは、価値がまったく違います。育つお客様を連れてきた回に、どんな商品が入口だったのかまで分かれば、次のイベントの主役にできます。
2. 前回買ってくれた人に、今回も声をかける
イベントは繰り返し巡ってくるので、「前回このイベントで買ったお客様」というセグメントが、毎回できあがります。このセグメントを作って、今年のイベントが近づいたら、少し早めに案内を送ります。
去年の母の日に買ってくれた人は、今年の母の日も動く可能性が高い。去年の誕生日に何か買った人は、今年も誕生日が近づいています。相手にとっても、ちょうど欲しくなる時期に案内が届くので、押しつけになりません。
3. まだ買っていない人に、きっかけを届ける
逆の見方もできます。「ふだんは買ってくれているのに、このイベントではまだ買っていないお客様」というセグメントを作って、そこに絞って案内を送ります。
母の日のギフトは別の店で買っているお客様かもしれませんし、しばらく買っていなくて、そのまま離れかけているお客様かもしれません。そういう人にとって、イベントは「もう一度買ってもらうきっかけ」や「久しぶりに戻ってきてもらうきっかけ」になります。全員に同じ案内を送るのではなく、このセグメントに絞ると、伝える内容も作りやすくなります。
まとめ
イベントにはいろいろな種類がありますが、やることはどれも同じ3つです。獲得したお客様が育っているかを見る。前回買ってくれた人に、今回も声をかける。まだ買っていない人に、きっかけを届ける。一度この型を覚えてしまえば、母の日にも、夏のシーズンにも、セールにも、誕生日にも、同じように使えます。
そしてイベントは、一度きりではありません。何度も巡ってきます。1回やって終わりにせず、イベントが来るたびにこの3つを回していくと、そのたびにお客様の状態が分かり、声をかける相手が見つかります。その積み重ねが、集客とLTVの土台になっていきます。
まずは、次に来るイベントをひとつ選んでみてください。そのイベントで去年買ってくれた人を抜き出すところからで十分です。そこが最初の一歩になります。

